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一般日本人がレバレッジ1倍~1.5倍のリスクパリティPFを簡単に組む方法とオールウェザーちょっと考察

先日書いたリスクパリティETFの記事ですが、もう少し考えを脳内ですすめたら少し面白かったのでシェアします。

RPAR Risk Parity ETF (RPAR)は面白いですね

リスクパリティですが、これはいろいろなストーリーというか局面というかで
(このETFの運用担当はブリッジウォーター出身らしいので、ここでは経済の季節でしょうね)
で、それぞれ同じくらいリスクをとる構成と思います。
対してオールウェザー(オールシーズン)はいつも何起きても対応できる、ということで
少し違います。
リスクパリティは長期ボラティリティと資産間の相関がプラスかマイナスかで計算してると思われます。
けど、少し違うけど、発想の基本はほぼ一緒みたいなものかと思ってます。
たとえばオールウェザーは20年後も同じように運用しますが
リスクパリティは株式と債券が長期で今後、プラス相関になったら大きく構成が変わる、とかそんな感じでしょうかね・・・

オールウェザー
30% 株式
15% 10年政府債券
40% 20年以上政府債券
15% コモディティ(金7.5+コモディティ指数7.5)

リスクパリティETF
21% グローバル株式
29% 政府債券
29% インフレ連動債TIPs
21% コモディティ
これに1.2倍のレバレッジをかける

よくにたポートフォリオと思いますが
個人的にこれだとリスクパリティETFのほうがより全天候に対応した思想でできていると思います。
なぜでしょうか。
レイ・ダリオの説く4つの経済の季節を思い出してみましょう。

All2.jpg

それぞれで効果的な資産はなんでしょうか

季節①経済成長率が想定より上がる時期
株式
コモディティ(金含む)

季節②経済成長率が想定より下がる時期
名目金利のFixされた(政府)債券
インフレ連動債

季節③インフレが想定より進む時期
インフレ連動債
コモディティ(金含む)

季節④デフレが想定より進む時期
株式
名目金利のFixされた(政府)債券

このように、経済成長率のレバーを上下にガチャガチャと上げ下げしても
インフレのレバーを上げ下げしても
全局面に厚く構成を割いているのがわかります。
とくに前に本で公表されていたオールウェザーは季節③に弱そうだなあと思いましたが
こちらはそんなことはありません。

リスクパリティ

ためしにETFを使って2006年中頃からの成績をだいたいで見てみると
一番わるかった年での成績が-6%と、とても手堅いことが見てとれます。
このバックテストではいろいろ古いETFを使っていますが
実際に組む時はもっと今時の経費率の低いETFを使えばいいのではないでしょうか。

リスクパリティポートフォリオ(レバ1倍)案
21% VT
29% TLTかヴァンガードのもっと経費率の低いもの
29% TIPかヴァンガードのもっと経費率の低いもの
10.5% GSG
10.5% IAU
これであれば、サクソバンクの一般口座でRPARを買わずとも
特定口座源泉徴収ありで簡単にリスクパリティPFが組めます。
これらすべてのクラスのETFで、すでにコモディティ指数以外はぼったくり経費率ではない低コストETFがあります。

このPFは、年間に6%程度しか下がらなかった特性を考えると
すでに1億円以上運用しているような人で、まったくお金を減らしたくない人。
それでいてインフレに対して1%~1.5くらい長期で勝つPFが欲しい人にいいかもしれません。
また、子供の学費など、ぜったいに20%も30%も減らせないお金を
インフレよりマシな利回りで運用したい人に合っていると思います。
なぜインフレに対して1~1.5%を想定するかというと、それぞれのクラスを見てください。
政府債、TIPs→現在インフレにわずかに劣る利回り
コモディティ、金→超長期でインフレと同等だが、手数料と税金分劣る
株式→インフレに対し5%程度の超過する期待リターン
とすれば当然、株式が21%のポートフォリオは、実質長期想定リターンは1%そこそこになるはずです。

個人的には
①何割かは、毎年半額になったりめちゃくちゃな動きをする期待リターン数%を取りにいく株式100%に近いPF
②何割かは、数%しか変動せず、インフレ+1%のリターンをとりにいく、毎年の生活費引落用のリスクパリティPF
お金に色をつけるのは理論的じゃないですが
わかりやすく管理できるので、こうやってリタイア後に、超長期用の触らない株式PFと
毎年引き出すリスクパリティPFに分けて管理するのもいいなぁと思いました。

このPFを観察していると、たしかにレイ・ダリオが言っていた通り
株式の3倍くらい債券を入れて、動きを打ち消そうとしているところも面白いですね。
それに、本に載ったオールウェザーをみて疑問に思ったのが、今後くるかもしれないインフレの世界です。
もし毎年インフレ率が上がり、米国金利が上昇したらどうでしょう。
その場合、対応する資産が、本のオールウェザーだと金+コモディティで15%とても薄いと思いました。
(過去40年のように金利が下がり続ける世界なら大量のFixed incomeは最高ですが)
このリスクパリティ型なら、金+コモディティ+TIPsで50%と、うまく機能するでしょう。
こちらのほうがより全天候を意識していると思います。

ちなみに1.5倍程度レバレッジをかけたいなら、それにも対応できます。
リスクパリティポートフォリオ(レバ1.5倍)案
10% SPXL+EDC
15% TMF
45% TIPかヴァンガードのもっと経費率の低いもの
15% GSG
15% IAU
グローバル株式にEAFE諸国が入れられないのが残念ですが
1.5倍くらいのレバレッジでも今年くらいの状況では、年次リターンでみてほとんど微動だにしないでしょう。

最後に最近のレイ・ダリオの一般人向けアドバイスをみてみましょう。
このリスクパリティ型のPFを見た後なら、きっと言っている意味も違ってきこえるはずです。

レイ・ダリオの4つのアドバイス


「まず、投資家は、自分がうまくやれないであろうことを理解しなければならない。
どう投資し、どう引き揚げるか、おそらく(正しく)決められない。
市場で成功することは、オリンピックで金メダルを取ることより難しい。
オリンピックで競うことを考える人は稀だろうが、みんな市場で競うことはできると考えてしまう。
しかし(市場では)もっとたくさんのお金が競い合っている。
ゼロサム・ゲームのようなことを莫大なマネーが競い合っている。」

ダリオ氏は、市場の厳しさを教え、一般投資家が楽観的な前提に基づいて行動しないよう戒めている。
そして、この認識から最初のアドバイスを導き出す。
マーケット・タイミングを試みてはいけない、ということだ。

ダリオ氏は、投資家が陥りがちな誤りを紹介する。

「すべての投資家にとって最大の誤りは、最近うまくいったものが、高いものではなく、良い投資だと考えることだ。
最近悪かったものが、安いものではなく、最悪のものだとして売却してしまうことだ。」

「世界の富の全体の金額はそれほど変化しないことを理解しなさい。
あるものが上がれば、あるものが下がる。」

「個人投資家がすべきは、よく分散するやり方を知ること、バランスのとれたよい分散法を知ることなんだ。」

分散とバランスは、ダリオ氏の一貫した一般投資家向けアドバイスである。
そして、分散の要素として、最近の持論、現金に対する考え方を説明している。

「現金は安全な投資先ではない。・・・
現金はボラティリティがほどんどなく、人を引き付ける投資先だが、あなた、あなたの購買力に年約2%課税する。
だから、現金はほぼ最悪の投資先だ。」

ダリオ氏は「貨幣システムが崩壊し、貨幣が再定義されている」と話し、対処法としてポートフォリオに少し金を入れることを提案している。

「私が言いたいのは、
よく分散し
謙虚であり
マーケット・タイミングをせず
現金の危険を認識しろ
ということだ。」
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プロフィール

靴磨きおじさん

Author:靴磨きおじさん
1984年うまれ
2011年に就職
2013年1月からインデックス投資をはじめる
2016年12月から個別株投資をはじめる

リスク資産運用成績
※円建て手数料および税金差引後実測値でディーツ簡便法に近い式を使用

2013年 +20.7%
2014年 +25.5%
2015年 +0.2%
2016年 -0.9%
2017年 +15.0%
2018年 -17.2%
2019年 +25.6%
2020年 +12.5%

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