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ETFを使ったグローバルマクロ戦略

レバレッジをかけない理由②「レバレッジをかけた分だけアメリカの政策金利に近いコストを払っている」って?

前回記事が当ブログにとっては驚きの33拍手
(拍手はいつもは0~5です)でしたので本当に驚きました。
興味がある題材だったのかも。

さて、コメント欄にとても大事な質問がきていたので
(コメントも当ブログでは珍しいです)返事を書いておきます。
勉強熱心なレバレッジETF運用家の間では既知の内容ですが、とても大事な話です。

レバレッジETFがRokohouseさんを震源に、短期投機家のあいだではなく長期投資家の間で話題になり始めた頃
同時に多くの人が重要な疑問について心配し始めました。
レバレッジ分の借り入れコストはどうなっているのかということです。
それ以前は個人投資家の長期資産運用界隈ではレバレッジ=ダメだったので
みんな運用の専門家ではないし、レバレッジETFの内部構造を詳しく調べていなかったのです。
そこで実際の商品の中身を見たり色々と情報が整いつつあったのですが
とくにカーネルさんというブロガーが借入コストについて非常に値動きが近くなる近似式を特定して
レバレッジETFの動きの中身(具)が判明してきました。
超長期のレバレッジファンドのリターンを見る

(レバレッジファンドの1日の価格変動) = (インデックス(配当込み)の価格変動) × 3 −(支払う金利)×2

これはとても大事な式です。
もしレバレッジETFを運用したいなら、かならず理解するべき式だと思います。

(インデックス(配当込み)の価格変動) →これがたとえばS&P500のブル3倍だとしたら、VOOの配当込みリターンに当たるようなものです。

(支払う金利)×2→こっちがとても大事です。おそらくFF金利(米国政策金利)とか、米国の超短期債に近いような数字です。
どのように3倍のレバレッジをかけているかというと、S&P500の先物を買っているのです。
先物を買うというのは、ある期間において、(配当込みトータルリターン)-(借金の金利)をある期間終了時に受け取るという取引です。
するとどっかの会社さんが実際に借金してS&P500を買ってきて、ある期間運用し、最後に期間終了したら借金金利を引いて、先物購入者に返却するので、つじつまがあいますね?
ですので3倍のレバレッジがかかっているということは、ある人がSPXLをxドル買ったら、先物を毎日2x~3xドル買ってるのです。
先物についてわかったでしょうか。
わからなかったら本やネットで勉強してください。

さて、レバが3倍かかっているということは、先物の払うべき金利(おそらくFF金利と近い数字)で購入額xドルに対し
2x~3x払っていることは構造からおそらく確かと思われますが、それを、過去のレバETFのチャートと
金利の変動から特定したのがカーネルさんなのです。
カーネルさんが色々と調べたら3か月債の2倍程度の金利分、成績が純粋な日足3倍より下振れしていたのです。
これはとても意義あるデータで、レバレッジETFを使う個人投資家はカーネルさんに感謝しなくてはいけません。

さて、そうなるとみてわかるように、米国政策金利・債券金利の利上げ局面で何が起こるかわかると思います。
今のように金利があがり続けるとリターンが下がるのです。
だから勉強熱心なレバレッジETF愛好家はみんな金利とETFの関係を気にしていたのです。
界隈のレバレッジETFの一番人気商品であるTMFとSPXLはリーマン後2008年からの低金利、かつ利下げ局面しか経験していないのです。
金利が上がったらどうなるか、というのが最大の論点になりました。
それをカーネルさんの特定した近似式で2008年以前の1950年からのリターンとしてしめしたのがこのグラフなのです。
(カーネルさんすみません勝手に借ります)

levFundReturn.jpeg

対数グラフなのにもかかわらずド派手な動きをする3倍ブル米国株式にも目を見張りますが
(下落は90%を超えて、ほとんど評価額が0に近づくほど暴落します)
もっと注目すべきなのは長期債券のブル3倍です。

Longterm bond

1950年から大きく上昇した米国債券金利は1980年代にトップをむかえ、そのあと長期的に下落したことが知られています。
(だからこそカーネルさんも1950年からの動きをシミュレーションしたわけですが)
すると金利が上がっている時期は債券ブル3倍が恐ろしいペースで棄損していくことがわかったのです。
毎年入金したら、毎年暴落するような、壊滅的な棄損です。
なぜそうなるか。
20年超え米国債券ETFのTLTの詳細を見ると、デュレーションが17.48%とあります。
これは、金利が1年で1%あがると、TLTは17.48%下がりますよという意味です。
すると、もし
FRBが毎年、1%とか0.5%とかほいほい金利をあげていったらどうなるでしょうか?
金利が1%あがるたびに、TLTは17.5%下がるのです。
そして、TMFはその毎日の値動きの3倍のペースで下がるのです。
そして最後に、その値動きに、超短期金利x2相当のリターンが差し引かれるのです。
この恐るべき棄損が、金利上昇局面でTMFにかかる負荷です。

なるべくかみ砕いて、金利上昇局面で3倍レバレッジETFに起こることを、???という人向けに書きました。
でもレバレッジETFに投資しない自分ですらこのくらいは認識しています。
レバレッジというのは大きな勝負です。
勝つときも負けるときも地味な結果には終わらない可能性が高い。
知らないあの人に薦められたからやってみた、で勉強不足が手を出して良い領域ではない、というのが自分の考えです。
やるなら徹底的に調べつくしてから、自信をもって臨むべきかと思います。
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