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ETFを使ったグローバルマクロ戦略

ロシア株式/低CAPE・低PBR新興国株式へのバリュー投資/通貨下落リスクへの対抗策

低CAPE国別分散投資の有効性
当サイトは低CAPE、低PBRの地域へのオーバーウェイトをしています。
今年の前半以降はS&P500をアンダーパフォームしていますが、長期的にはこの手法が有効であるという考えは全く変わりません。
短期的にはドルや米国金利、貿易摩擦によってさまざまな影響がありますが、長期的にはバリュエーションが重要であると考えています。

低CAPE戦略において、主要44か国中、CAPEの低い11か国へ分散するという機械的な戦略は
もっとも再現性が高く、普遍性が高いと思っています。
この機械的で単純な戦略は、過去25年間で、S&P500のドル建て年率+9.0%のリターンに対して
ドル建て年率+14.5%と、大幅にアウトパフォームしており、また最大ドローダウンもS&P500より大幅に小さく
単純なグローバルマクロ戦略の力強さを証明しているかもしれません。
CAPEレシオが低い国への投資は米国株をアウトパフォーム
単一国でのCAPEを使ったリターン測定でも
複数国でのCAPEを使った投資先スイッチ戦略でも
CAPEは様々な資料で有用性を証明しています。
その仕組みは、単一国でのある株式指数の構成銘柄のうち
PERの低い下位25%のリターンは長期では株式指数リターンを上回る性質と同じものだと推測されます。
つまり、上げている利益に対して低い株価の付いた、期待されていない銘柄(国)を買い集める戦略です。
当サイトが使っているVWO/VEA/VOO+IJRの
3地域分割のCAPEによる重み付けも単純化しているだけで仕組みはまったく一緒です。

低CAPE国への機械的分散は、長期ではグリーンブラッドの魔法の公式のように働くでしょう。
過去の個人的な勉強から、為替リスクの相殺のために、少なくとも8か国(できれば10~11か国)
に分散することが非常に重要になると思います。
低CAPEの安定しない国は、単独では非常に標準偏差が大きく、指数は個別株のように動きます。

さて、機械的な投資もいいですが、それぞれのバリュー銘柄(に見える)国を個別に検討したい人がいるとします。
たとえば靴磨きおじさんがそうです。
大枠のところを、VWO/VEA/VOOIJRという3分割CAPE法を使い積立て
ここぞというときにERUSのような低CAPE1国で勝負をしています。
そのような手法はやや主観や定性的な要素がはいるため、失敗する可能性もありますが
それでも、ある程度定量的に成功を引き寄せられるかもしれないと考えています。
今回はそれについて今まで勉強してきたことを書いていきます。


一国の株式リターンを推定する式
1国の株式リターンを推定する式として、以前は山崎元氏が使ったものをよく見ていましたが
最近はとくにボーグル氏が使った単純な式をみています。
ボーグル氏はこの式で米国の過去の株式リターンはほぼ完全に近い相関をしたと著書で書いています。

株式リターン(名目)=配当+名目GDP成長率+PER変化によるリターン増減=配当+実質GDP成長率+インフレ率+PER変化によるリターン増減

どの国の通貨でも適用できる式をしています。
自分はこの式について、まだ十分に心の底から納得はしていないのですが
天下のボーグル氏の公式です、最近はとりあえずそのまま使っています。
ここでロシアの株式にこの公式をあてはめてみましょう。

ルーブル建てだと2018年の数字を使ってこう表現できます。
ロシアの株式リターン(ルーブル名目)=配当+名目GDP成長率+PER変化によるリターン増減=配当+実質GDP成長率+インフレ率+PER変化
=5.2+1.71+2.75=9.66
なおPERは現在ゴミみたいな低さですが、将来不変と仮定します。
もしPERが10とか12に上昇すればリターンはもっと高くなります。
ルーブル建てリターン9.66%
実質リターン(インフレ調整後)6.91%
ドル建てリターン(米国インフレ率2.54%より)9.45%

ロシアのインフレ率
ロシアの実質GDP成長率
ロシアの配当率

この数字から、もしこのままPERやCAPEが反発せず低いままに据え置かれても
とても良いリターンが期待できる国だということがわかります。
つまり、もし低CAPEの国に対してさらにあなたが主観的に投資適格性を判断したい場合、以下の4要素を確認すれば一目両全ということになります。

①配当
②実質GDP成長率
③インフレ率
④PERの低さ

④を見ることが低CAPE投資と同義ですから、低CAPEの国から①~③を観察する必要があります。
つまり、配当が低くなったり、実質GDPがマイナスに転落したり、低く安定していたインフレ率が上昇をはじめたら
ロシア株式は今より悪い投資先になるのです。

さてここで、③の『低く安定していたインフレ率が上昇をはじめたらロシア株式は今より悪い投資先になる』
という言葉に違和感を感じるかもしれません。
つまり、実質GDPさえプラスで安定していれば、式の上ではインフレがいくら上がろうが関係ないのでは、と。
ここにちょっと罠があるような感じがします。
新興国のGDP成長率はどちらかというと
名目GDP成長率(ルーブル建て)=インフレ率+実質GDP成長率
この式の中で、まず現地通貨建てGDP成長率が決まり
次に国の信用度でインフレ率が決まり、そのつじつまとして実質GDP成長率が決まるような理屈になっています。
あくまでも靴磨きおじさんが今までいろいろ読んで勉強した結果感じたフローです。
つまり

ルーブルで今年GDP成長してるなー国内景気いいなールーブル建て株式指数がんがんあがってるなー
→でも・・・ロシアの信用が低い・・・インフレ率すごい上がっちゃってる・・・
→実質GDP成長率マイナスに、ドル建て株式リターンも今年はマイナスになっちゃったよ・・・

こんな感じのフローが起こりかねます。
というわけで、上記の③インフレ率の低い数字での安定が、実質GDPプラス維持のために大事なのです。
ではこのインフレの悪化や抑制はある程度、みることができるのでしょうか。
それについて勉強したことを次の章に書きます。


インフレ悪化をある程度は見破る方法
上記のリターン推測式もそうですが、あくまでも、本当は複雑なグローバルマクロの世界を
いままで勉強したことで、単純に単純に、理解できる範囲でかみ砕いてきた結果を書きます。
間違いない、ということもできません。
あくまでも、現状自分はこう思っている、という範囲の話なのでよろしくお願いします。

国の赤字と黒字にたいしてどう思うでしょうか。
どういう認識ですか。
靴磨きおじさんの勉強したところによると、二つの赤字/黒字があります

①財政赤字/黒字
②経常赤字/黒字

イメージで聞いてください。
①の財政ですが、どちらかというと、日本国債を刷りまくって資金調達して
毎年医療費、年金、公共工事にオリンピック、お金つかいまくっちゃうよ~すでに国の借金は1000兆円!!
とか言ってる国がありますね。
これが財政赤字です。
財政収支で毎年赤字を出して、その累計がとうとう1000兆円。
そういう話です。

つぎに、②の経常収支ですが、日本の場合は、トヨタが儲かった、ファナックも外国に製品売って儲かった!
製品売ってドルやら外国の通貨で支払いしてもらった、これが経常黒字です。
こういう儲けたお金を、ドルの米国債だとかゴールドだとか、中国債だとかで
貯蓄してるのを、外貨準備高と読んでいるようです。
日本だと現在1.2兆ドル以上(140億円くらい)あります。

そこでですが、日本は慢性的に経常黒字+財政赤字の組み合わせですね。
しかし通貨はまったくインフレしません。
最も信用された通貨のひとつと呼ばれます。
つまり、財政収支よりも、経常収支と、そこから積み立てた外貨準備高のほうの黒字っぷりを
国際通貨市場は観察していることが読み取れます。
しかし、だからといって財政赤字が良いはずはないので、もちろん財政黒字に越したことはないかと思います。
また、あるとき国際通貨市場が、日本の財政赤字を「日本通貨に対する不信感」と認識して
通貨が暴落してしまうかもしれません。
財政赤字は経常黒字さえ維持していれば、通貨にとっては問題ない、と言い切るのは危険ですので
ここでは、インフレの抑制には経常収支と外貨準備高が重要だが、財政黒字のほうが良いはずだろう、と書いておきます。

過去の新興国の通貨暴落をネットで調べると、おおよそ経常赤字が止まらなくなり
外貨準備高が危険な領域まで減り、まあ大概財政赤字もあり、インフレが止まらなくなり
という展開を繰り返しているように見えます。

ここで、新興国市場の通貨やインフレについて頻繁に記事を書く広瀬隆雄氏の
今月のルーブルが下がった際に書いた記事を読んでみてください。
ロシア・ルーブル急落!新興国通貨クラッシュは起こるか?

今回の記事を前提として読んでみると
・実質GDP成長率
・経常収支→外貨準備高
・インフレ率
・失業率

失業率以外のすべての観察している指標は、今日このブログで言及している各数字と共通していることがわかります。
(結果としてこれらの数字が良いので、ロシアルーブルは大丈夫だろうというのが広瀬氏の結論で書かれています)

次は同じ広瀬氏が2014年にインドネシアの株式が危ないと書いている記事です。
タイ株暴落! 次はどの国がヤバイかって? そらインドネシアに決まってるでしょ

同じように、経常赤字が進むことで、外貨準備高がすり減り
インドネシアのインフレが加速すると実質株式リターンが棄損しかねない危険性を指摘しています。
また記事の中でこのような文章があります。
『だから最近では経常赤字国、財政赤字国を中心に新興国の為替安の現象が見られ始めています。これは典型的な危機の「前兆」です。』
このことから、やはり経常収支ほどではなくとも
国内の財政収支も国際通貨市場の信用度にかかわっていることが伺い知れます。


最後に上記で勉強したことをもとにロシア株式のファンダメンタルを再評価してみる

ロシアの株式リターン(ドル名目)=配当+名目GDP成長率(ドル)+PER変化によるリターン増減=配当+実質GDP成長率+インフレ率(ドル)+PER変化
=5.2+1.71+2.56+0=9.45+0


実質GDPはプラスを維持し、配当率は高いため良好である。
また、PERおよびCAPEは6~7程度であり、PER変化によるリターン増減は0として計算したが
実際は長期的にプラスに振れる可能性が高い。

次にロシアのインフレ危険性について検討する。
ロシアの経常収支
ロシアの経常収支はGDP比4.47%の黒字で大変良好。

世界の外貨準備高
ロシアの外貨準備高は4600億ドルと世界5位であり
GDPと比してとても良好であり、また減少傾向にない。

ロシアの総債務残高
ロシアの総債務残高(財政赤字の積み上がり)はGDP比18.67%と
他国に比して非常に小さく健全。

ロシア株式指数の長期リターン
ロシア株式の長期リターンは
1995年に100ドルであったドル建て(配当含まず)であったRTS指数が現在1064ドルと他国に比べて非常に優秀。
また、1995年にはすでに人口増加率が減少開始していたことからも
ロシア株式は人口減少局面であっても上昇可能な指数であると推測する。


もちろん未来がわかるわけはありません。
それに定性的、主観的なものが入ってきてしまいますが
靴磨きおじさんの場合、上記のようなチェック項目を経て、低CAPE国株式市場の検討をしています。
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