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ETFを使った株式投資

ロシアとトルコ-CAPEの低い国への投資判断をどのように行ったか

高卒非正規が株式投資でアーリーリタイアを目指す

『高卒非正規』さんが運営するブログは、一番知りたいと思うことに触れられる機会も多くよく見ているブログです。
また、高卒非正規さんと靴磨きおじさんは戦略も似通っていて、書かれている考え方もほとんどの場合同じと感じます。


※※※
ところで、米国株ブログ村で、非常に戦略や方針が自分ににているのは
高卒非正規が株式投資でアーリーリタイアを目指す
一方通行投資で気楽に資産形成。
この二人です。
また、ETFではなく個別株ですが、投資とバリューに対する考え方としていつも共感するのは
バリュー株投資 安全域を保つ
このブログです。
共通点としては、どのブログも、現物ロング、レバレッジをかけない、そして現在バリュエーションを観察するところです。
現在バリュエーションを観察するか、無視するかで戦略は大きく変わると思います。
※※※


話を戻します。
そんな高卒非正規さんと靴磨きおじさんですが、ある1点で大きく違う判断をしています。
それはトルコ株を買いとみるか、そうではないとみるかです。
期待リターン=配当利回り+株主資本成長率+バリュエーション変化率
今回はロシアと比較して、そのあたり自分がどう見ているか書いていこうと思います。

まずトルコとロシアのバリュエーションですがこうなっています。
STOCK MARKET VALUATION (SHILLER-CAPE, PE...)
ロシア CAPE6.3 PER7.6 PBR0.9
トルコ CAPE9.4 PER7.9 PBR1.2

CAPEが7未満になった国はその後数年間のリターンが著しく良い傾向であることが調査でわかっています。
また、PBRが1.0未満というのは、すでに純資産の値段で株式が取引されているという意味であり
100円の原価の材料が90円で売られている状態です。
PBRが1未満の株式は下落幅が小さいことが知られています。
しかし、トルコのようにCAPEが10を割った国もまた、基本的にリターンが高くなるとされています。
ヘッジファンドはしばしばロング側でCAPEが10未満の国をバケット買いするそうです。

靴磨きおじさんが最近1年で、買ったあとに、違和感を覚えてすぐに売ってしまった銘柄は
トルコ株式ETFと、コモディティETFです。
トルコ株式ETFについて、もちろんCAPEの数字だけではなく、別の要因で売りました。
それについて書きたいと思います。

とくに経済的に不安定な国に投資する場合、バリュエーション(CAPEやPBRといったもの)の割安感以外に
以下のようなことが参考になるとよく言われます。
・貿易収支
・外貨準備高
・GDP変化
・人口変化
・金利

とくにトルコは貿易収支が悪いといわれています。
トルコの経常収支の推移
過去20年間くらい、慢性的に-4~-8%程度貿易赤字の国です。
ロシアの経常収支の推移
ロシアは常に貿易黒字です。
外国にエネルギーを売って、利益を得ているのです。
このことがトルコのGDP成長と株式市場の成長に悪影響をもたらさないか、というのが一つ目の心配です。

もう一つが金利と為替の心配です。
山崎元先生の名目株式リターンの式をもう一度確認します。
名目株式リターン=株式リスクプレミアム+短期債券名目金利=株式益回り+名目GDP成長率
※この式は、名目GDP成長率と名目企業利益成長率が近似されるという一般的な仮説に基づいています
米国の企業利益成長率と名目GDP成長率の関係

当然この式はインフレを差し引いて表現することもできます。
実質株式リターン=株式リスクプレミアム+(短期債券名目金利-インフレ率)=株式益回り+実質GDP成長率

この式の表すことを観察してみるといくつかわかります。
・株式益回りが高いほど良い(PERが低いほど良い)
・実質GDP成長率が高いほど良い。

もし「実質GDPの成長率が株式のリターンに寄与しない」という意見があったとしたら
一つの仮説として、実質GDP成長率の高い国ほど低い株式益回り(高いPER)に据え置かれた場合は、そうなります。
もしくは上記の山崎元氏の式が間違っている、すなわち
名目GDP成長率と企業の名目利益成長率が近似できるという、山崎氏やボーグルの使う式が間違っているとなります。

さて、ここで実質GDP成長率についてが気になるところです。
実質GDP=名目GDP-インフレですので
インフレが極端に高くまた不安定だと、名目GDPの上昇を侵食してしまうのではないか、ということです。
トルコの経済成長率の推移

そう思ってトルコの実質GDP成長率を見てみたのですが、プラスで安定していました。
すごいね・・・
ということは現地通貨建てのGDP成長率はトルコは毎年爆上がりですが
インフレも爆上がり、為替は毎年爆下がり
→しかし名目GDP成長率-インフレは毎年きちっと爆上がりしている感じでしょうか。

この文章を書き始めたときのストーリーと違い、期待リターン算出式ではトルコは「買い」という結論になってしまいました。
てっきりトルコは1年債券が利回り18パーセントと変な暴走をしていることから、もっと変な結論になるのかと・・・
トルコの債券利回りの部分についても見てみます。
一般に株式リスクプレミアムが5%以上くらい確保されていると健全といわれます。
実質株式リターン=株式リスクプレミアム+(短期債券名目金利-インフレ率)=株式益回り+実質GDP成長率
実質株式リターン=株式リスクプレミアム+(18-11)=12.6+5(仮予測)

実質株式リターン17%
株式リスクプレミアム10%
めちゃくちゃ良い数字が出てしまいました。
どこか間違ってるのかな・・・

貿易赤字が新興国の株式リターンにどう影響するか、しないのか、がもう一つのポイントかと思います。
勉強不足なのでそのうち調べてみます。
自分の高コストETFを使った低CAPE個別国への買い出動はCAPE7.5、あるいは7以下なので
トルコがそこまで落ちてきた場合、再度貿易収支に関して再勉強かな・・・
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  2. | コメント:5
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コメント

トルコ株、気になりますよね。
配当利回り+成長率+バリュエーション変化率で計算しても、株式益回り+GDP成長率で計算しても期待リターンは高く出るのですが、慢性的な経常赤字と高インフレが気がかりでロシア株ほど強気になれません。

また、トルコのインフレ率についてはエミン・ユルマズさんが「トルコ統計局発表の最近の物価指数は12%程度ですが、統計の取り方にやや問題があり、実体は20%くらいなのではないか」と書かれています。
https://fx-rashinban.com/k00011-FX%8F%EE%95%F1/a4572-%83G%83~%83%93+%83%86%83%8B%83%7D%83Y%82%B3%82%F1%82%C6%83g%83%8B%83R%91%E5%93%9D%97%CC%91I+%92%BC%91O%98_%93_%90%AE%97%9D%81I
公式発表と実体のインフレ率の差が9%もあるので、これを実質期待リターン17%から差し引くと8%で微妙な感じになりますね。
  1. 2018/07/07(土) 14:29:05 |
  2. URL |
  3. 高卒非正規が株式投資でアーリーリタイアを目指す #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

高卒非正規さん

おっしゃる通り、期待リターン式で計算するととても高くなるので???と思いました。
ロシアのリスクはわりとみんなが言及していることなのでわかるのですが、トルコのリスクは
何を盛り込んで割安になっているか、です。

高インフレですが、式に盛り込まれるはずです。
実質GDP成長=名目GDP成長-インフレ
で盛り込まれる認識です。
とすれば、リンク先の参照のように、市場が実態のインフレ率を20%として実質GDP成長率を出しているのかも。

新しい記事よみましたが、(とても勉強になりました。いつも思いますが表をつくるのめちゃくちゃはやいですね)
おっしゃるように、山崎元式はとてもリターンが高く出るし
やはりCAPEの絶対値と、歴史的なCAPE中央値からの上下剥離でみるべきかなと自分も感じました。
あとはPBRは馬鹿にならないと思います。
PBRが1に近い国はダウンサイドが知れてるし、やはりPBRが3もあるような国は何かがおかしい・・・

> トルコ株、気になりますよね。
> 配当利回り+成長率+バリュエーション変化率で計算しても、株式益回り+GDP成長率で計算しても期待リターンは高く出るのですが、慢性的な経常赤字と高インフレが気がかりでロシア株ほど強気になれません。
>
> また、トルコのインフレ率についてはエミン・ユルマズさんが「トルコ統計局発表の最近の物価指数は12%程度ですが、統計の取り方にやや問題があり、実体は20%くらいなのではないか」と書かれています。
> https://fx-rashinban.com/k00011-FX%8F%EE%95%F1/a4572-%83G%83~%83%93+%83%86%83%8B%83%7D%83Y%82%B3%82%F1%82%C6%83g%83%8B%83R%91%E5%93%9D%97%CC%91I+%92%BC%91O%98_%93_%90%AE%97%9D%81I
> 公式発表と実体のインフレ率の差が9%もあるので、これを実質期待リターン17%から差し引くと8%で微妙な感じになりますね。
  1. 2018/07/07(土) 20:46:44 |
  2. URL |
  3. 靴磨きおじさん #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

高卒非正規さん

ユルマズさんに質問出来たのですが
トルコ株式を専門にしていないが、(CAPEやPBRといった)数字の上ではご指摘通り割安に見えます。
というシンプルな回答もらいました。
それ以上のコメントはもらえませんでしたがご参考までに。

> トルコ株、気になりますよね。
> 配当利回り+成長率+バリュエーション変化率で計算しても、株式益回り+GDP成長率で計算しても期待リターンは高く出るのですが、慢性的な経常赤字と高インフレが気がかりでロシア株ほど強気になれません。
>
> また、トルコのインフレ率についてはエミン・ユルマズさんが「トルコ統計局発表の最近の物価指数は12%程度ですが、統計の取り方にやや問題があり、実体は20%くらいなのではないか」と書かれています。
> https://fx-rashinban.com/k00011-FX%8F%EE%95%F1/a4572-%83G%83~%83%93+%83%86%83%8B%83%7D%83Y%82%B3%82%F1%82%C6%83g%83%8B%83R%91%E5%93%9D%97%CC%91I+%92%BC%91O%98_%93_%90%AE%97%9D%81I
> 公式発表と実体のインフレ率の差が9%もあるので、これを実質期待リターン17%から差し引くと8%で微妙な感じになりますね。
  1. 2018/07/07(土) 21:25:57 |
  2. URL |
  3. 靴磨きおじさん #-
  4. [ 編集 ]

ユルマズさんからの回答教えてくださってありがとうございます。
やっぱり指標的にはトルコ割安ですよね…
トルコはエルドアン・ディスカウントなのかなと思っていて、予想よりもエルドアンが現実的だったら解消されるのかなと何となく思っていました。
地政学的なところは全然ニュースも読まないですし理解できていないので分からないのですが…

ブログの表は気になったときにGoogleスプレッドシートに仮で作っておいたものを後で完成させることが多いので、一から作ると全然速くはないですよ。
考えをまとめたりするのが遅いので一から作ったら他の方よりも時間が掛かっている気がします。

レバレッジETFについての記事読みましたが、先物金利のことも考えないといけないんですね。
最近RUSLについて考えていて、RUSLの株価は「RSXの日次リターン×3-0.013%」で近似できそうと思っていたのですが、FF金利の影響を受けるとしたら複雑過ぎて私には計算できなさそうです。
https://ronaldread.blogspot.com/2018/07/RUSL-ETF.html

  1. 2018/07/08(日) 11:49:29 |
  2. URL |
  3. 高卒非正規が株式投資でアーリーリタイアを目指す #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>地政学的なところは全然ニュースも読まないですし理解できていないので分からないのですが…

わかりますわかります。
ロシアって意外とファイナンシャルポインターでも話題になることあるんですよね。
あとはロシアは貿易黒字、インフレ低、株式益回り>債券利回り、と
個人的に不安定な国への投資する時に気になるファンダメンタルが安定してるから判断しやすく感じました。
これだけほかの国と仲悪い、悪評高いと、なぜ割安かもわかりやすいし。
半面トルコはそこが難しくうまく判断できません。


>レバレッジETFについての記事読みましたが、先物金利のことも考えないといけないんですね。
実際は、スワップ金利?という先物金利よりさらに高い金利が多く盛り込まれているみたいです。
自分はレバかけない派なので詳しくは調べませんが・・・
どちらにしろRUSLの元指数の標準偏差は50くらいあるでしょう。
元指数に頻繁に-50%の年があるので、-99%以上下がる年が頻発します。
まともな投資先にはならないかと。



  1. 2018/07/09(月) 14:22:07 |
  2. URL |
  3. 靴磨きおじさん #-
  4. [ 編集 ]

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