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ETFを使った株式投資

『インデックス投資は勝者のゲーム』第9章 良き時代はもはや続かない 必読の内容

前にガルボフラッシュさんが書いていたと思うのですが
この第9章は必読かと思います。
この章が読みたいがために自分も買いました。
ポイントをメモしていきます。

1974年からの43年間で、名目リターンは実際には平均11.7%だった。
利益成長(EPS伸び率ともいえる)5.5%
配当利回り3.3%
バリュエーション変化(PER変化)2.9%
であった。
このうち前者二つが本来の資産の実力によるリターンであり
合計8.8%の名目リターンだった。
しかしPERが43年間で7.5→23.7に変化したことで、2.9%のリターンを経た。
ボーグルの考えではPERの上昇によって得たリターンを市場本来の実力と勘定するのは間違いである。

※ここで面白いのは、ボーグルのこの独特のリターン算出式です。
山崎元式ではリターン式を
名目EPS成長率+株式益回り=名目債券利回り+株式リスクプレミアム=株式名目リターン
と想定しますが、ボーグルではPER不変の際は
名目EPS成長率+配当利回り=株式名目リターン
となっている。
この2つの式は矛盾しており、(配当利回り=株式益回り???おかしい)
直感的には靴磨きおじさんは山崎先生の式が納得度が高い。
それはともかく、このボーグルの興味深い式を使って話は続く。

まず、今日米国の配当利回りは2%程度となる。
企業収益について、米国の長期的な名目成長率が6%であり
向こう10年のGDP名目成長率は4~5%は成長するとボーグルが仮定している。

※さて、ここでバリュエーションを論じるとき、しばしば専門家は長期の名目企業利益成長率=名目GDP成長率
という前提を使用します。
ボーグルも同じく、長期の名目GDP成長率予測が4~5%から、名目の企業利益成長率も4~5%と仮定しています。
この考え方は自分も最近みにつけましたが、便利です。

すると配当+名目企業収益成長率=名目リターン6~7%となる。
低く見積もって6%とする。
もし、PERが現在の23.7から動かなければ、向こう10年の名目リターンは6%となる。

ここで、ウォール街のストラテジスト達は予想営業利益に基づくPERを使用したがることを指摘しています。
しかし、操業をやめた事業にかかる損金、その他の損失が含まれず、将来利益予想は実現するかわからない。
予想営業利益を用いたPER17は無視すべきである。


この考えは靴磨きおじさんは完全に同じですね。
基本的に予想収益を使いません。

23.7のPERは、ボーグルの予想では20倍以下に落ちる。
10年でPERがこのように下落することにより、年あたり-2%リターンが既存する。
よって名目リターンは6-2=4
今後10年リターンは名目4%になる。
もし10年でPERが12になれば、同様の式から6-7=-1%で、名目リターンが-1%になる。

おおよそドルのインフレを2%で安定すると考えると
米国株式の10年リターンが
名目4%
実質2%
くらいになるということですね。
そしてそのリターン低下の原因分析はこのサイトでいつも書いていることと完全に同じです。
利益に対して株価が高すぎるので、平均回帰するのではないかという指摘です。

さて、もう一つ面白い話が米国債券についてです。
たとえば10年物債券を金利3%で購入し、10年満期でホールドし売却すると年リターンは名目3%になります。
たしかに利上げすると既存債券は交換の際、新規債券に対して安くなりますが(トータルリターンが同じになるように調整される)
もし満期まで債券を保有されれば、返却されるのは元本であり、リターンは金利なのだから
当然3%で購入した債券のリターンは年3%になる、ということをグラフで説明しています。

さて、話を株式に戻します。
もちろん、株式の実質リターンがわずか年+2%というのは、過去と比べあまりにも少ない。
しかし起こる可能性のほうが高いというのがボーグルの主張です。
シーゲルの本の熱心な愛読者は米国株の実質リターンが6~7%になるのではないかと想定していますが。

最後にボーグルは、ボーグルの言葉を信じる必要はないが
経済学者や機関投資家がほとんどこれと同意見である点をあげています。
当サイトの好きなGMOのグランサムもここで登場します。
残念ながらGMOは7年間の株式リターンを実質-2.7%と予測しています。
※GMOとそのボスであるグランサムは、当ブログが熱心なフォロワーであることからもわかるように
完全にグローバルマクロ型のバリュエーション重視ファンドです

ボーグルは熱心な愛国者であり、名目リターンはぎりぎりプラスに保てる。
米国株式と米国債券をバランスよくもち、低コストインデックスファンドで冬の時代を乗り切るように、とアドバイスします。
しかし、バリュエーション計算から国を選別して株式投資を行うのが、GMOのような機関投資家や
そのフォロワーである当ブログなのです。
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