ETFを使ったグローバルマクロ戦略

新興国株式をPERではなくCAPEで見るとリーマンショックで別の風景が見える②

新興国株式をPERではなくCAPEで見るとリーマンショックで別の風景が見える①

続きだよ。
さて、CAPEで新興国株式のリーマン時の暴落が予測できたという話をしました。

EM_Risk_is_in_the_Price_-_Equities.jpg

2011年頃からこの図のように米国のCAPEと新興国のCAPEの差に剥離がはじまりました。
二つを重ねると剥離で三角形ができています。
新興国CAPEが下がるとその後のリターンはどうなるのかは、かなりわかりやすい傾向があります。

Chart1.jpg

これが新興国のCAPEとそこから10年間のリターンのグラフです。
完全にぴったり逆に動いているように見ませんか?
ではリターンを上下さかさまにしたグラフを見てみよう。
もっと決定的に傾向がわかります。

Heartland-Advisors-International-Value-Investing-Portfolio-Manager-Perspective-CAPE-Chart.jpg

つまり新興国に関してはCAPEがその後10年の実質リターンを見る占い師の水晶玉のごとく機能してきたということです。
今の新興国のCAPEはあ約15、米国のCAPEは約30ですね。
もし1990年以降と同じことが起これば、グラフの通り、新興国のCAPEが15なら
今後10年の平均の年率実質リターンは8~9%になるということになります。
では米国やほかの先進国はどうなるか。
次回がラストです。
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バリュー投資家ジェレミーグランサム先生は投資方針を変えず

バリュー投資家ジェレミーグランサム先生は投資方針を変えないようです。
師の一人と勝手に思っており、靴磨きおじさんも方針は変えず。
しかし大切なのはポジションをまねることではなく考え方を身に着けることかも。

ジェレミー・グランサム:貿易戦争と最後のひと上げ

Grantham: U.S. Stocks Pricey but Could Avoid Major Decline
Grantham: Emerging Markets Equities 'Priced not too Badly'
Mean Reversion Has Slowed Down, not Vanished
Oil's Response to Climate Change Bad for Investors


Grantham: Well, from GMO's point of view, our first choice is a melt-up, jump out, and have it meltdown rapidly, and jump back in. Our second choice is the bump-along because we are out of the U.S. equities, we're overweighted emerging and EAFE. There's nothing in my five-year forecast that says S&P down 20 to prevent emerging being up 20.
It's easily cheap enough to have that sort of divergence with room to spare and maybe ether up 5. That is a dismal market for a pension fund, but it's not a dismal market for GMO's relative performance.

『ひとつの可能性として、今後米国が急騰して、そこでGMOは売り抜ける、そして暴落したときに買い拾う。
もうひとつのやり方は、もし米国が急騰せずにレンジ相場になった場合、GMOはすでに米株を手放してEAFEと新興国をオーバーウェイトしているのでそのままホールドする。
米株が20%下がり、新興国が20%あがるシナリオは(バリュエーション上は)不思議なことではない。
(時価総額でホールドする)基金のような機関投資家には悪い状況だがGMOにとっては難しいマーケットではない。

Jeremy Grantham: I made it clear, by the way, in January that I was not suggesting that an individual undertake this. It's too hairy. I recommended that an individual just be more cautious. It takes a lot of confidence to move money around. You have to have pretty good data to make it worthwhile. I think we do. That's why I tend to use probabilities. We're never dealing with certainties. Once you start thinking in certainties, you have real trouble. When the facts move against me, I moved down from 50% probable to 35, which is my official forecast. If we keep on fighting trade wars with Canada and the EU, and so on, it will go to 30, and then eventually 25 and fade away.

(※この前半部分で言っていることが重要に思う。レイ・ダリオも似たことを言ってました。)
上記の戦略について、1月にわたしはこういうやり方を個人投資家にすすめなかった。
これは難しすぎる。
個人投資家はもっと慎重にやらなくてはならない。
わたし達(大手機関投資家)はタイミング売買に自信がある。
大量のデータがいる。GMOにはもちろんできる。
だから私たちは確率を使って投資をする。
私たちは絶対に『確実に起こる』というストーリーでは投資していない。
『確実に起こる』という考え方を投資に取り入れると本当の失敗に見舞われるだろう。
(以下略)

Ptak: Suppose I'm an advisor or I'm an individual investor. Let's say I have a seven-year time horizon, we'll just pick a number arbitrarily, and I'm trying to think about how to purchase a portfolio.

7年保有する個人投資家という過程で推奨する戦略を教えてください。

Grantham: I fall back on a different paper I wrote, which is there are times when you simply have to be brave, and do things that don't come easily. All asset classes pretty much are overpriced badly except emerging, which is priced not too badly, and particularly at the value end of emerging. It's priced fine, so take as big a position as you dare in emerging. Avoid the U.S. as much as you dare. Don't have much duration in the bond market, and you at least might muddle through quite well. This is not a period that you're likely to make a lot of money, but let's face it, the market has just tripled. You can't follow markets, the triple with markets, the triple. It doesn't happen, but at least by avoiding the U.S. that's tripled, and emphasizing the emerging markets which has lagged far behind, you might be able to muddle through OK.

新興国以外はすべて高い、新興国は悪くはない。
勇敢になれるだけの大きいポジションを新興国にかけることだ。
そして可能な限り米国を避ける。
デュレーションの長い債券を持たないこと。
大きく稼げる時期ではないが受け入れること。
米株マーケットを追ってはならない。
これは3倍になった。
3倍になったマーケットを追ってはいけない。
大きく出遅れた新興国マーケットに大きくポジションをとったほうがいい。

That's still a dismal return for the S&P, it's about 2 1/2% real for 20 years, which is nothing to wish for. Even in a world that is different, that stays higher priced, that has higher profit margins, and mean reverts more slowly, you still get some pretty ugly returns.

(意訳まちがってるかもしれないけど)
今後20年でS&P500のリターンが実質2.5%になると踏んでいる。
もし別のシナリオで、株価が高いまま(PERが高いまま)、かつ利益率が高く、平均回帰がゆっくり進む場合であっても、リターンはひどいことになりそうだ。




というわけで、7年や10年といったタームでストロングホールドする投資家
それも個別銘柄のアウトパフォームではなく、世界の中でどの国の株式がまともなリターンを出すかということに
興味がある人には参考になる記事ではないでしょうか。
自分はいつもグランサムの言うことは注意深くチェックしています。
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世界各国の時系列CAPEレシオが見られるサイト by 高卒非正規さん

いつも勉強に使っているサイトの高卒非正規さんがちょっと前にすごく便利なサイトを見つけて紹介しています。
格国バリュエーションに興味があるような人は高卒非正規さんのサイトはチェックしてると思いますが・・・

世界各国の時系列CAPEレシオが見られるサイト

もともといつもStarcapitalの表を使っていて、ここが更新されなくなったら・・・
と思っていたもので、一発で解決したので大感謝ですね。
今記事の目的はただ一つ、万が一高卒非正規さんの該当ページが消えてしまった時用の自分のメモです。
ほかの目的はないのであしからず。

自分は基本的に各国の現在CAPEを調べるのに使用します。
それプラスCAPEの長期中央値くらい。
大枠では新興国・米国・ヨーロッパ先進国・環太平洋の4地域バリュエーションを見るのが目的になります。
環太平洋としての数字はないですが、どうせ大まかに言って
EAFE=VGK x 60% + VPL x 40%と言って過言でないのでざっくり出せますね。

CAPE Ratio Time Series

CAPE Ratio
現在値と中央値が出るのでほとんどの目的はここで達せられる

他いろいろリンク先に使い方の解説がありますが
あんまりコピペしちゃうと申し訳ないので・・・
詳しくはリンク先の高卒非正規さんのページで。
(できればずっと消さないでほしい)
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グランサムの運営するGMO 4月急落時にロシア株式オーバーウェイトをやめる気なしと発信

4月のロシア市場下落時にグランサムのGMOがレターを出していたのを偶然読んだら内容が好きだったのでメモしときます。

Russia: A Riddle, Wrapped in a Mystery,

Bob Dylan once sang, “Something is happening here, but you don’t know what it is, do you, Mr.
Jones?” That’s what it kind of feels like today. There’s something going on behind the scenes in
Russia –something we’re not privy to.
On the heels of new U.S. sanctions and a chemical weapon attack in Syria,
the Russian market fell 10% on April 9th,
a much larger reaction than expected.

ボブ・ディランがかつて歌ったように
『ミスタージョーンズ、ここで何かが起こっているけど、おまえにはそれが何かわからないだろう?』
それが今感じていることだ。
裏でロシアに何か起こっているが、知る由はない。
シリアでの攻撃と米国からの経済制裁でロシアマーケットが4月9日に10%下落していたのは
想定より大きいものだった。

というような書き出しで4月に起こったロシア株式急落について触れています。

Given the fact that Mr.Oleg Deripaska (who is closely associated with Mr. Paul Manafort)
and the companies he controlswere the primary targets, one might draw a conclusion
that there’s a political dimension to this.

If the intent was to hurt Russia economically,
sanctioning companies such as Gazprom and Sberbank would have had a much more profound impact.


(この制裁が)Oleg Deripaskaという人物と彼の配下の会社がメインターゲットであったなら
政治戦略的な側面が強かったかもしれない。
もし本気でロシア経済そのものを攻撃するつもりならGazpromやSberbankを獲物にすれば
はるかに大きな実質的経済損失を与えることができた、という話。

Our sources in Moscow suggest a similar view.
The new risk is that the White House is now actively
involved with day-to-day Russian policy and everyone is uncertain as to
what Mr. Trump might tweet tomorrow.
In short, we don’t think the U.S. is exercising the “nuclear option”
of trying to tank the Russian economy.
While it will cause pain in certain areas,
we do not think this action will have a profound impact on the Russian economy.

GMOのモスクワ支部も同じ考えで
どうやら米国にとっては対ロシアで『核のオプション』はなく
部分的な痛みを伴う経済攻撃程度がホワイトハウスのやり方だということ。
そしてそれは経済的には軽微な影響力しかない。

As a result, we are quite comfortable with our overweight in Russian equities
in the GMO Emerging Markets Strategy, as these positions continue to be extremely cheap
in our view.

結果としてロシアマーケットはオーバーウェイトの対象としてものすごくよいもので
GMOはロシアがめちゃくちゃお買い得だと思っている。

Within the Russian market, Gazprom fell 8% while Sberbank fell almost 22%.
As the supplier of 30% of Europe’s natural gas, Gazprom is unlikely
to be sanctioned or suffer significant negative effects.
On the other hand, we believe Sberbank’s dramatic fall reflects the fact that
it is the most foreignowned and most liquid Russian stock
(the GDR trades an average of $100 million daily in London alone)
and was hard hit for liquidity, rather than for fundamental reasons.
Only 3% of Sberbank’s assets were exposed to sanctioned companies.
Furthermore, it is Russia’s largest bank, with 20,000 branches and 65% of the country’s deposits.

Gazpromは8%、Sberbankは22%の下落だ。
Gazpromは欧州の天然ガスの30%を供給する企業なので制裁しようがない(悪影響がでかすぎる)
Sberbankの22%下落はファンダではなく、最も海外で流動性が高いロシア銘柄だからだろう。
またSberbankの資産のうち今回の制裁された企業関係のものはわずか3%であり
(Sberbankは)2万店舗をもち、国の預金の65%を預かる銀行だ。

It trades at 5 times current earnings and 1.3 times book value while earning 23% return on equity.
It is one of the largest positions in our portfolio and we are adding to it.

PERが5、PBRが1.3、ROEが23という水準で取引され
GMOの新興国ファンドの最大保有銘柄の一つであり、さらに買い増し中だ。

We’ve always said that you make more money when things
go from truly awful to merely bad than when they go from good to great.
Russia’s relationship with the world is now approaching truly awful.

我々が繰り返し言ってきたこと。
『よきものが素晴らしいものになったときより、最悪の状況から多少マシになった時が稼ぎ時だ』
ロシアの世界との関係は、最悪の状況といえる。


まさにド直球のグローバル型バリュー投資家、それも古き良きスタイルです。
実はテンプルトン先生が天国からこのレターをネット投稿していましたといっても全く違和感がない。
たしかにGMOとグランサムは天才集団とその偉大なリーダーでしょうし
難しい計算や指標を使いこなしているでしょうが
出した結論と、その根本の理由が自分と同じであることがうれしく思いました。
靴磨きおじさんもロシアが最大の投資先の一つであり
GazpromとSberbankは間違いなく最大の投資先です。
もしロシアのインフレが暴走せず、原油がそれなりの水準を維持すれば
根本的に利益創造力を破壊されていないロシアの株価は長期でよい結果をもたらす可能性が高いと思う。
みんなが米国IT企業に夢中でも、だれもいない荒野を平然と歩くのです。
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占い師ガンドラックはコモディティ高とドル安を予言

Gundlach says 'excellent time' to shift into emerging markets

ガンドラック:金融・財政の自爆作戦

Gundlach, who oversees $120 billion at DoubleLine, said he believes the U.S.
dollar will weaken again because of the “ridiculous” expansion
of federal debt against the backdrop of rising interest rates.
He characterized the explosion of the federal debt
and the Federal Reserve’s interest-rate increase cycle as a “suicide mission.”

ガンドラックの考えでは債務拡大しながら利上げをするアメリカの戦略を
馬鹿なものとこき下ろし、“suicide mission.” と呼んでいます。
これでドル安が起こるとのことです。
(高い金利により米国自身が米国のドル建て債務を払う負担を増やしドル安になるということです)

Gundlach said he expects oil to rise toward $80-$90 a barrel,
and said he would be a buyer of gold and continues to be bullish on commodities.
Overall, Gundlach said, there is “no U.S. recession in the offing,”
but he does see slower global growth.

原油は80~90ドルを目指す。
金も含め、コモディティに引き続き強気。
「リセッションはしない、しかし世界の経済成長は鈍化する」

このような考えとのこと。
記事内での推奨は
ドル建て新興国債、ハイイールド債、コモディティ指数、金です。

自分の興味のあるものや保有銘柄から考えると
ドル安→短期では新興国およびEAFE株式に良い材料
石油・コモディティの上昇→ロシア、新興国株式、コモディティETFに良い
もしこのコモディティ上昇+ドル安シナリオが実現すれば当サイトのPF(コモディティ、ロシア株、新興国株)には
全面的な追い風になる。

もう一つの視点からみると短期的な通貨の優劣や金利を無視し
「すべてはバリュエーションだ」と言い張る考えもある。
それならガンドラックもなにも、関係ないという話に。

どちらの視点からみてもPFの裏付けは変えず。
新興国株式とコモディティに60パーセント、米国には15パーセントといったところか。
もしかしたら1~3年、米国株にたいし不利かもしれませんが
どのくらいのタームで投資をするのか、というだけの話。
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